- 注射の回し打ち、入れ墨などで感染しますが、身に覚えがない感染も珍しくありません。
- 感染しても無症状や軽症で経過することが多く、知らない間にゆっくりと慢性肝炎が進行します。
- かつてはインターフェロン注射を行っていましたが、今は副作用の少ない内服薬のみでの治療が一般的です。当院では、いずれも行っています。
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスの感染により発症する肝炎です。違法薬物注射の回し打ち、入れ墨、ピアスなど血液を介して感染する点はB型肝炎と共通していますが、母子感染や性行為感染はまれです。また、感染経路の約半数は不明とも言われおり、身に覚えがない感染も珍しくありません。
C型肝炎ウイルスに感染しても、急性肝炎を発症することはあまりありません。C型急性肝炎を発症したとしても、他のウイルスによる急性肝炎と異なり、症状は軽く、劇症肝炎に進展することもほとんどありません。そのため、多くの方がC型肝炎ウイルスの感染に気づかぬまま過ごしていくことになります。ただ、C型肝炎ウイルスに感染した方の約70%は、持続的にウイルスを保有し続けることになります。このような状態をキャリアと呼びます。C型肝炎ウイルスのキャリアになっても、基本的には無症状です。しかし、ゆっくりと慢性肝炎が進行し、肝硬変へと向かっていきます。慢性肝炎や肝硬変が進行するほどに肝癌のリスクが高まるため、できるだけ早い段階での治療が望まれます。
C型肝炎の治療は、DAA(直接作用型抗ウイルス薬)と呼ばれる内服薬が現在の主流です。2013年より前はインターフェロン注射を柱とした治療が一般的で、当院でも開院以来インターフェロン治療を行ってきました。「初回の入院が不要」「外来の待ち時間が短い」などの点を好評頂いていましたが、インターフェロン特有の副作用がつらかったり、投与期間が長かったりして、決して楽な治療ではありませんでした。しかし、2014年にDAAを内服するだけの治療法が登場してから、様変わりしました。副作用がほとんどない一方で、治療成績が非常に高いからです。既に肝硬変に進展してしまった方や初回治療に失敗してしまった方にも使える薬もあります。当院では肝臓専門医としてインターフェロン治療のみならずDAA治療も積極的に行っていますので、お気軽にご相談下さい。