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宜保クリニック

住所
〒399-0036
長野県松本市村井町南1-34-20
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P 駐車場21台 駐輪場 完備
電話番号
0263-57-6060
診察内容
消化器内科
肝臓内科
内科一般
禁煙外来
院長
医学博士 宜保行雄
診療時間、休診日
時間/曜日 日・祝日
8:30
 ~12:30
15:00
 ~18:00
当クリニックは予約制です。

インターフェロン

インターフェロンの説明

インターフェロン - HCVを排除する

【インターフェロンとはどんな薬か】
■抗ウイルス作用をもつ

私たちがウイルスに感染すると、そのウイルスに対抗できるように物質が体内で作り出されます。そのような物質の一つがインターフェロンです。

インターフェロンは、体の細胞にくっつき、これに信号を送ります。すると、ウイルスの遺伝子を切断する物質や、ウイルスのたんぱく質が作られるのを妨げる物質が作り出され、ウイルスは増えることができなくなってしまいます。

■C型肝炎の治療で使われるのはα型とβ型

インターフェロンの抗ウイルス作用はたいへん強いのですが、HCVのように感染が持続しやすいウイルスに対しては、体内で作られるインターフェロンでは、とうてい追いつきません。ですから、ウイルスを排除するためには、その不足分を補うべく外から大量のインターフェロンを追加しなければなりません。これがインターフェロン療法です。

インターフェロンはα、β、γの3種類が発見されており、このうち、αとβがC型慢性肝炎の治療に用いられます。

【2.インターフェロンリバビリン療法の実際】
■治療期間の制限は無くなりました。一般に入院が必要ですが、当クリニックではほとんどすべて外来で行っています。

インターフェロンリバビリン療法には、いくつかの制限が設けられていました。すなわち、慢性肝炎の患者さんのみに使用が認められていましたが、現在、肝硬変でも適応が認められました。これまで、健康保険では、使用期間も制限されていましたが、現在最長72週(1年半)投与が可能です。

インターフェロンαは筋肉内注射、インターフェロンβは静脈注射または点滴静注で投与されます。

【3.よく効く人とあまり効かない人がいる】
■C型慢性肝炎が治る人は40~70%

インターフェロン療法を受ければ、すべての人が治るというわけではありません。その効果は、体内にあるHCV量やHCVのタイプと体内の遺伝子によって20%か80%かが推定されます。

インターフェロン療法の治療効果は、治療中にGPT(ALT)が下がる、HCV量が減少するなど、約70%の人に病状の改善が認められ、最終的にはHCVの排除に成功する人(C型慢性肝炎が治る人)は40~70%と評価されています。なお、最近ではインターフェロン療法でC型慢性肝炎を完全に治すことができなかった場合でも、GPTが下がるなどの効果があれば、肝硬変への進展を抑止したり、将来、肝癌が発生する確率が低くなることが明らかになってきました。

■HCV量が少ないほど効きやすい

血液中のHCV量はHC-RNA定量検査(分岐DNAプローブ法あるいはPCR法)などで図ることができますが、その値は人によって大きな差があり、多い人は少ない人の1億倍にもなります。当然、HCVが多い人よりも、HCVの少ない人の方がインターフェロンで治る確率は高くなります。

■効き易いタイプのHCVがある

HCVにもさまざまな種類がありますが、日本でみられるものは、グループ1とグループ2の大きくふたつのグループにわけられます。このうち、グループ2は比較的インターフェロンがよく効くといわれています。

■患者さんの血液中のIL28を測定し、インターフェロン+リバビリン療法が85%有効か、10%有効か予知することが可能です。(保険適応外)
【4.インターフェロンの副作用】
■初期には発熱などの症状が現れる

インターフェロンはもともと体内で作られる物質ですが、治療は大量に使われるので、副作用も強く出ます。
インターフェロンの副作用は、初期(治療開始~2週)、中期(2週~3か月)、後期(3か月以降)で現れてくる症状が異なります。
初期には、インターフェロンの急激な増加に体が対応できず、さまざまな症状が出てきます。なかでも、発熱と全身倦怠感はほぼ100%の人に発症し、頭痛、筋肉痛、食欲不振なども効率に現れます。ただし、これらの症状は投与を続けるうちに徐々に軽快します。また、発熱や頭痛は解熱鎮痛剤の坐薬や内服薬を使うことにより、かなり抑えることができます。いずれにせよ、早めのチェック、主治医への相談が大切です。

■副作用の為に治療が中止されることも

インターフェロン療法は、白血球や血小板の著しい減少、糖尿病の悪化、重いうつ症状、甲状腺の異常などが現れた場合、中止されることがあります。そのほか、脱毛、視力障害(眼底出血)もみられます。しかし、これらは投与を中止すれば元に戻ります。また、糖尿病、心臓病、腎臓病、膠原病のある人は、病状が安定している時期を見はからってインターフェロン療法が行われます。

インターフェロンの主な副作用
現れる時期 あまり心配のないもの 特に注意が必要なもの
初期
(治療開始~2週以内)
●発熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛・関節痛などの風邪のような症状*
●発疹
 
中期
(治療2週~3か月以内)
●食欲不振
●不眠、イライラ
●うつ状態
●視力障害
後期
(治療3か月以降)
●脱毛** ●間質性肺炎
  から咳
  運動時の息切れ
●甲状腺機能異常
●糖尿病の悪化

*しだいに軽快する  **治療終了後、回復する

このほか、臨床検査値の異常として、白血球や血小板の減少、尿たんぱく陽性などがみられる。

■間質性肺炎の症状に注意

インターフェロン投与により、まれに間質性肺炎が現れることがあります。間質性肺炎とは、肺胞(呼吸によって取り込んだ空気が入る袋)と肺胞と仕切る壁(間質)に炎症が起きた状態で、から咳、運動時の息切れ等の症状が現れ、発症します。この病気は発見が遅れると死にいたることもありますので、から咳、運動時の息切れ等の症状が出たらすぐに受診しましょう。特に、肝臓を保護する薬として広く用いられている小柴胡湯を併用すると、間質性肺炎を起こしやすいといわれています。ですから、インターフェロンの投与を受けている間は小柴胡湯を服用してはいけません。

【5.リバビリンの副作用】

ほとんど全例に程度の差はあるものの貧血がみられます。溶血性貧血と呼ばれる赤血球が破壊される貧血もまれにみられます。


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